さて、約一ヶ月ほどガンダムマーカーエアブラシシステムを使ってみての感想です。
あくまでもマーカーだし、簡易な構造だしであまり期待していなかったのが使う前の印象でした。
実際に使ってみると、特にメタリック色の発色と下地色の隠蔽力の高さに驚き、ほとんど臭いがしないこと、使用後の片付けが楽なことなど、メリットだらけでした。
もちろん大型キットの全塗装やサフ吹き、繊細なグラデーション塗装とかには向きませんが、気軽にスプレー塗装を楽しむには最適です。
最初のころは、臭いを気にしてベランダに出て塗装していましたが、最近は窓を開けるだけで、模型部屋でそのまま吹いています。排気ファン仕様の塗装ブースも必要とせず、プラモの空き箱を立るだけです。
メタリック色を使っていて気づいたのですが、ガンダムマーカーのメタリック塗料はシルバー成分と、クリアカラーを攪拌して、同時に吹き付けている感じです。シルバーの下地塗りとクリアカラーの吹き付けを同時に行っているようなものです。
試しにSDシャアザクを全塗装してみました。胴体の濃い赤はロイヤルメタレッド、手足の赤はメタレッド、武装はガンダムグレーです。サフも吹かずそのまま成形色にガンダムマーカーエアブラシシステムの一回塗りでこの発色です。
ネットや模型誌で見かけるプラスチックスプーンに塗装してサンプルを用意してみました。スプーンにはあらかじめ半分をマスキングして黒を吹き付けて、塗料の隠蔽率も同時に確認できるようにしてみました。
缶スプレーだとシンナーの匂いが気になる、本格的なエアブラシは初期投資が数万円で大変ですが、ガンダムマーカーエアブラシシステムは気軽にスプレー塗装を始めるには最適だと思われます。臭いもほとんどしませんし、エア缶なので電源不要で音もしません、塗料の調合や希釈といった、塗装前の下準備も、塗装後の器具の洗浄も必要ないのです。
ガンダムマーカーエアブラシシステムの原理は、マーカーの先端部、ペン先に染みた塗料を、エア缶による空気圧で吹き飛ばして塗料のミストをつくり塗装する方式です。
なので塗装のポイントは、使用前に適度に振ってマーカー内の塗料をよく攪拌すること、ペン先の塗料の染み具合をよく確認すること、これは不要な紙にペン先を押し当てて、塗料の具合を目視すると良いです。ペン先の塗料が多すぎても、エア圧で塗料が飛び散って綺麗には塗れないし、少なすぎても塗料が飛んでいきません。ペン先の塗料の状態を気にすることが綺麗に塗るコツです。
マーカーをセットする位置も重要ですが、説明書に基準の位置が載っているので難しくないです。
初めての時は、いきなり部品に塗るのではなく、不要なランナーとかで練習して下さいね。
エア缶は使っていくうちにどんどん冷えて、エア圧が下がってしまうので、セットで付属している小型のエア缶は予備として保管して、大きいサイズのエア缶の方が安定して塗装できます。
僕は今まで通りサフ吹きや、ラッカー塗料などの塗装にはイージーペインター、お手軽部分塗装やメタリック塗装にはガンダムマーカーエアブラシシステムの使い分けで模型生活を楽しんでいこうと思います。